屋根塗装は意味ないと言われる理由と、屋根材別の塗装の必要性を示すイメージ画像

「屋根塗装は意味がない」という言葉をインターネットで見かけて、検討を後回しにしてしまった方もいるかもしれません。反対に、必要のない工事を勧められるのではと不安に感じる方もいらっしゃいます。

結論からお伝えすると、屋根塗装が意味を持つかどうかは、屋根の材質によって変わります。この記事では、屋根材ごとの塗装の必要性と、判断に迷ったときの確認方法を解説します。

屋根塗装の必要性は、屋根材で決まります

屋根塗装が本当に必要かどうかは、屋根材そのものに防水性があるかどうかで決まります。

スレート屋根や金属屋根、セメント瓦(モニエル瓦等)は、素材自体に防水性がありません。表面の塗膜だけで雨水の浸入を防いでいるため、塗装が劣化すれば防水機能も失われます。定期的な塗り替えが欠かせない屋根材です。

一方、日本瓦(粘土瓦)は高温で焼き締められており、素材そのものが高い耐久性と防水性を備えています。そのため、塗装をしなくても屋根材自体の防水機能に大きな問題は起きにくいとされています。

「屋根塗装は意味がない」という主張は、この違いを踏まえずに語られていることが少なくありません。まずはご自宅の屋根がどちらのタイプに近いかを知ることが、判断の第一歩になります。

なぜ「屋根塗装は意味ない」と言われるのか

背景にはいくつかの理由が考えられます。

一つは、瓦屋根と他の屋根材が混同されているケースです。日本瓦の家に住んでいた経験から「屋根は塗らなくていい」というイメージを持ち、スレート屋根や金属屋根にもそのまま当てはめてしまうという誤解が生じやすくなっています。

もう一つは、劣化が目に見えにくいという屋根特有の事情です。外壁と違って屋根は普段目にする機会が少なく、色あせや塗膜の傷みに気づきにくいため、「特に問題は起きていないから塗装は不要では」と感じる方もいます。

訪問販売などで必要以上に不安を煽られた経験から、屋根塗装そのものへの不信感につながっているケースがあることも、一因として指摘されています。「今すぐ塗らないと危険です」といった強い言い方をされると、かえって塗装全般への警戒心が強まってしまうこともあるようです。

こうした背景を踏まえると、「屋根塗装は意味ない」という言葉は、特定の屋根材や特定の状況を指した話が、屋根塗装全体の話であるかのように広まってしまった結果とも言えます。まずはご自宅の屋根材を確認したうえで、必要性を判断することが遠回りのようで確実です。

屋根材別・塗装の必要性一覧

ご自宅の屋根材と照らし合わせて確認してみてください。

屋根材塗装の必要性理由
スレート屋根(コロニアル等)必要セメントと繊維を成形した屋根材で、素材自体に防水性がない。塗膜が防水機能を担う
金属屋根(ガルバリウム鋼板等)必要塗膜が劣化すると雨水が金属に直接触れ、錆や腐食が進みやすくなる
セメント瓦・モニエル瓦必要セメント系の素材のため、防水性は塗膜に依存する
日本瓦(粘土瓦)基本的に不要瓦自体が高温で焼き締められ、耐久性・防水性が高い

日本瓦の場合も、瓦のズレやひび割れ、漆喰の劣化といった問題は塗装とは別に点検・補修が必要です。「瓦だから何もしなくていい」というわけではない点にご注意ください。

なお、モニエル瓦についてはセメント系の屋根材のため塗装が必要な種類にあたります。詳しくは過去の記事「屋根塗装豆知識 モニエル瓦」でも解説していますので、あわせてご覧ください。

塗装が必要なサインの見分け方

スレート屋根や金属屋根で、以下のような症状が見られる場合は、塗膜の防水機能が弱くなっている可能性があります。

色あせが目立ってきた場合、紫外線によって塗膜の劣化が進んでいるサインです。表面を触ると白い粉が手につく「チョーキング」も、塗膜の防水成分が失われつつある状態を示しています。

屋根の一部にコケやカビが発生している場合、塗膜の撥水性が落ち、水分が留まりやすくなっていることが考えられます。金属屋根で赤茶色のサビが見え始めている場合は、既に塗膜の防水機能が部分的に失われている可能性があります。

これらの症状は地上から見えにくいことも多いため、気になる場合は無理に自分で屋根に上がらず、点検を依頼することをおすすめします。

塗装をしないとどうなるか

スレート屋根や金属屋根の場合、塗装を先延ばしにすると、まず塗膜の防水機能が失われます。

そこから雨水が下地材にまで浸透するようになると、下地の劣化や雨漏りにつながるおそれがあります。金属屋根では、錆の進行によって屋根材自体の交換が必要になるケースもあります。金属屋根のサビについては「金属屋根のサビを放置するとどうなる?折板屋根の劣化サインと塗装時期」で詳しく解説していますので、気になる症状がある方はあわせてご確認ください。

早い段階で塗り替えれば済んだはずの工事が、下地の補修や屋根材の交換まで必要な大掛かりな工事になってしまうこともあります。劣化のサインに気づいたタイミングで、一度状態を確認しておくと安心です。

塗装だけで済むケース・済まないケース

ここまで塗装の必要性を中心に説明しましたが、劣化の状態によっては、塗装だけでは対応できない場合もあります。

すでに雨漏りが発生している場合や、下地材まで劣化が進んでいる場合は、塗装では防水機能を回復できません。このようなケースでは、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる「カバー工法」や、古い屋根材を撤去して新しく葺き直す「葺き替え」が選択肢になります。

台風や強風で屋根に被害を受けた場合も、下地まで傷んでいることが多く、基本的には葺き替えが検討されます。また、和瓦(日本瓦)はカバー工法での施工ができないとされています。

塗装を繰り返してきた屋根では、塗り替えのたびに旧塗膜の状態を確認する必要があります。塗装が数回目になる場合は、塗装を続けるべきか、カバー工法・葺き替えに切り替えるべきか、専門家に判断してもらうことをおすすめします。

自分の屋根がどのタイプか分からないとき

屋根材の見分けは、地上から目視するだけでは難しい場合が多いものです。

弊社では、屋根に上がらずに屋根や屋上の状態を把握できるドローン診断も行っています。高所での作業が難しい屋根でも、実際の劣化状況を確認したうえでご案内できます。

まずは屋根材の種類と、現在の劣化状況を確認することから始めてみてください。

屋根塗装の主な工程

塗装が必要な屋根材の場合、一般的には次のような工程で進みます。

まず足場を設置し、高圧洗浄で屋根表面の汚れやコケを落とします。次に、劣化した古い塗膜を削り取る「ケレン作業」を行います。ここをしっかり行わないと、新しい塗料が密着せず、早期に剥がれる原因になります。

その後、下塗り材で下地を整えてから、上塗りを2回に分けて重ねるのが基本的な流れです。下塗り・上塗りに使う塗料の組み合わせは、屋根材や求める性能(遮熱性能等)によって選びます。

アサイ塗工店の施工事例

実際の施工事例を2件ご紹介します。

岐阜県瑞穂市 H様邸

施工前

屋根 施工前写真

施工後

屋根 施工後写真

ホームページからお問い合わせをいただき、劣化診断士が現地を確認したところ、屋根の塗膜劣化が進み、白い粉状の劣化(チョーキング)が広がっている状態でした。

古い塗膜が密着していないまま上から塗装すると、すぐに剥がれてしまいます。そのため、まずケレン作業で劣化した塗膜をしっかり除去したうえで、下塗り(SKマイルドボーセイ)・上塗り(ルーフスター)の順に塗装しました。

岐阜県岐阜市 K様(屋根板金・看板塔)

施工前

屋根全景 施工前写真

施工後

屋根全景 施工後写真

足場工事・コーキング工事・高圧洗浄を行ったうえで、屋根板金と看板塔の塗装を実施しました。施工前は色あせやサビが各所に見られましたが、下塗り(クールタイトプライマー)・上塗り(クールタイトsi)の施工で、サビの痕跡がなくなりました。

使用したクールタイトsiは、屋根用の高日射反射率シリコン樹脂塗料です。太陽光の近赤外領域を反射する遮熱性能を持つ塗料で、金属屋根の遮熱対策としても選ばれています。

よくある質問

Q
日本瓦なら絶対に塗装しなくていいですか?
A

瓦自体の防水性能については、基本的に塗装は不要です。ただし、瓦のズレやひび割れ、漆喰の劣化は別問題のため、定期的な点検はおすすめします。

Q
スレート屋根の塗装時期の目安はありますか?
A

一般的には築8〜10年が目安とされています。ただし劣化の進み方は立地環境や日射条件によって異なるため、実際の劣化状況をあわせて確認することが大切です。

Q
自分の屋根の種類を見分ける方法はありますか?
A

地上からの目視だけでは判断が難しいことが多いです。屋根材が分からない場合は、無料点検やドローン診断で確認する方法もあります。

Q
屋根塗装の費用はどれくらいかかりますか?
A

屋根の面積や劣化状況、使用する塗料によって費用は変わるため、一概にはお伝えできません。状態を確認したうえで、パックプランの内容とあわせてご案内しています。

Q
塗装ではなくカバー工法や葺き替えが必要になるのはどんなときですか?
A

すでに雨漏りが発生している場合や、下地材まで劣化が進んでいる場合は、塗装だけでは防水機能を回復できません。台風・強風で被害を受けた屋根も、下地まで傷んでいることが多く、葺き替えが検討されます。実際の状態は点検をしてみないと判断できないため、気になる場合はご相談ください。

まとめ

屋根塗装が「意味ない」かどうかは、屋根材によって答えが変わります。スレート屋根・金属屋根・セメント瓦は塗装によって防水機能を保っている一方、日本瓦は素材自体の耐久性が高く、塗装が不要な場合が多いという違いがあります。

屋根や外壁の状態が気になる場合は、まず現在の状態を確認することが大切です。岐阜周辺で屋根・外壁のメンテナンスをご検討中の方は、アサイ塗工店までお気軽にご相談ください。

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